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アンティークジュエリーに纏わる情報とエピソード


by Infanta_ayan
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アンティーク・ジュエリー放浪記  その5  お店との関係2

私自身は、非常に若い頃からアンティーク・ジュエリーのお店に出入りしていましたが、唯の一度も不愉快な思いをすることもなければ、萎縮してしまうこともなかったせいか、ますますアンティーク・ジュエリーに、傾倒していきました。

そして、色んなお店とのお付き合いが今に至るまで続いていますが、私が普段から思っていることは、『お店との関係は、極々パーソナルなもので、提供されるサービスのクオリティは、その関係性に極めて左右される』ということです。

日本だと、変な平等主義が根付いていますし、それも商売ということになれば、客の方が偉い、みたいな感覚がありますけれども、表面上はともかく、ある一定の常識的な対応から先ということでは、お店の方がどの人にも同じようなサービスをするとは限りません。
その先の、特別な配慮や情報の提供というのは、そのお店の方と如何に信頼関係を築いているかどうか、で左右されるのです。

お店にとっての上得意、というのは勿論、沢山金額を落とす客であることには間違いありませんが、けれども、それを抜きにしても、来ることを歓迎される人もいれば、そこまでではない人もいるものです。これは人間なので好き嫌いもあれば、相性もあるので無理のないことでしょう。
・・・・ましてや、(ディーラー、客を問わず)アンティーク好きなどという人種は唯でさえ、一癖ある人たちばかりですから・・・・

ですから、客であることに胡座をかかずに、普通に感じの良い客としての最低限の配慮はしていてもらいたいな・・・と、わたしが客の立場であっても思うのです。




何か特別な配慮を受けた時に、自分が客だからと云ってそれを当然だと思わないこと。
感謝の気持ちは、ちゃんと伝えること。
(例え、そんなことが滅多にないとしても)もし自分に何かできることがあればして差し上げること。
知ったかぶりはしないで、知らないことは素直に教えていただくこと。

何も、特別なことをしろと言っているのではありません。
要は、友人付き合いをする時と同様の配慮ができなくては、「お店の方との良い関係」なんて望むべくもない、という程度のことです。

秘蔵のコレクションを奥から出して見せてくださるかどうかも、表向きには内緒の「ここだけの話」を聞かせてもらえるかも、講演会の席の確保も、マニアな資料の情報提供も、全てはお店の方に好かれているかどうか、その一点に掛かっているのです。
それに、もっと極端な話が、そのお店が過去に扱った逸品のジュエリーを複数の人が「もし、その方が手放したいと思ったら是非譲って欲しい」とリクエストしているケースを、少なからず知っていますが、そんな引く手数多の状態で、ディーラーからのファースト・オファーを取り付けるには、単に金払いの良い客、であるだけでは不足なのは明らかです。

トップ・クオリティのアンティークを集めたいのであれば、そういう情報や品物を、ディーラーから引き出すことができる魅力や熱意がなければならないことは、皆口にこそ出しませんが実は何よりも心得ていること、なのです。

そして、何よりもその前に、どれだけ色んなお話をすることができるか、というのが最も重要かもしれませんね。どういうアンティーク・ジュエリーを捜し求めているのか、を理解してもらうには人柄を解っていただくのが早道ですし、それが的確に相手に伝わらなくては、「お好きかどうか解らないし・・・」とサービスそのものを躊躇させてしまうことになるでしょう。

人間関係なんて、どれも同じです。
こちらが好きな人だったら、大抵は先方も好もしく思っていてくれるものです。
全てのお店と仲良くなる必要なんてないのですから、せめて一つぐらいは、お気に入り且つ仲良しのお店を見つけて頂きたいな・・・・と、心から願っています。

それにどうせ同じように客として伺うのであれば、お店の方皆が喜んでくれるような存在でありたいなあ・・・と思います。
平均滞在時間が極めて長く、私が伺うと仕事をストップさせてしまうことになるので、こればかりは何よりも、私自身にとって切実な問題なのですよね。
by infanta_ayan | 2005-08-14 21:37 | アンティーク・ジュエリー放浪記